お勧めしないテナーマンその5

トリを飾るのは…サブトーンの大御所

もちろんこのサブトーン、テナーサックス最高の音の一つなんだけど、まず元音が良くないと絶対に出せない音。そういう意味で最初に目標にする音ではないということです。きちんと楽器を鳴らす技術が身に付いたら、その後この音を出せるよう練習すると必ず良い方向に向かうはず。

ベン・ウェブスターはコールマンホーキンス、レスター・ヤングに次ぐ初期のテナーサックスのスタイルの定義を作った奏者の一人ですが、ほんとこの人のサブトーンは素晴らしいです。なんというか風格、品がある。日本ではムードテナーの王様と称されるサム・テイラーが有名だけど、全く格が違います。こんな音一生かかっても出せないだろうなー。

メタルのオットリンクのめちゃ開きの広いの(聞いたところによると12番相当!)に加え、リードも4~5と激厚らしい。多分地上界の人間には吹きこなせないセッティング。

サブトーンというのは音色の中の高い倍音を調節して金属的な響きを減らしたうえで、息のノイズを加える奏法ですが、特殊技術というよりジャズサックス奏者なら絶対会得しないといけないテクニック。普通に吹くときも表の音はサブトーン気味になるし、強弱の中でも頻繁に使う。バラードではより分かりやすく使ってるだけで、もはや基本奏法といえるでしょう。とはいえコツをつかむのはなかなか難しくもあり、何年たっても満足なサブトーンを習得できない人も多いみたい。

ネットでも普通の音とサブトーン、アンブッシャーを変えて出すみたいな動画が見受けられますが、自分の意見としては絶対フルトーンと連続性がないと使えないと思ってる。咥えかた変えずに音色を変えるのが大事。

奏法的にしっかりしていないとサブトーンで大きい音は出しにくいので、サブトーンが大きく出せる人は楽器を鳴らすことに長けた相当の熟練者だと思う。今度テナーの演奏聞く機会があったらその辺注意して聞いてみたらいいです。

バラッドとなるとこんな優しい音色で吹くベン様ですが、アップテンポになると台風が吹き荒れるみたいなサウンドになって、そっちは好きじゃない…というか嫌い。

全音域サブトーンで吹ける人なので、高い音にもノイズが乗り擦弦楽器の音っぽい。左手パームキイに入ってからの音質、まるでバイオリンの音に聞こえませんか?天国にいるような音色です。

以上5名が音色、歌い方に関してのアイドルでした。全員音がデカくて色気があるプレイヤーばっか。自分基本リンク遣いなのに好きな音はラバーやラーセンが多いのが不思議。音楽スタイル的にはまた別の好きなプレイヤーがいっぱいいるのでそのうち紹介しますね。

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