倍音という名の沼

楽器が上達すると避けて通れない倍音の話

C年のハイライトの夏が終わったので、とりあえず歴史の授業は休憩、物理の時間です(笑)

自分の奏法が理にかなってるか、いまだ謎なので未だ研究中ですが、前から気になっている倍音の話。自分なりの解釈で話します。かなり専門的な分野なので、自分の音を良くしたいと思ってる方以外はスルーしたほうが賢明かも(笑)


倍音とは初めて聞く方もいると思うので説明すると、自然界すべての音は様々な音程の音が組み合わさってできています(川のせせらぎとか雷)そのバランスと量の違いで音色というものが生まれるわけ。楽器はその倍音を整理して、固有の音色と音の高さを判別しやすくしたもの。(倍音の詳しい説明はネットでいくらでも得られます。)

例えばクラリネットとサックス、似た楽器ですが倍音の構成が異なるので別の楽器に聞こえる。(材質よりも直管と円錐管というのが大きな違い)倍音の組み合わせで音色が決まるということは、同じ楽器を吹いても人によって音色が異なるということですよね。体格とか技術経験の違いで出る倍音が違うので。

逆に言うなら倍音のコントロールができればもっといい音を身に着けることができるわけで(30000円のサックス、10000円のギターをプロが演奏すると100万の音がする理由はこれ)、あるレベルに達したサックス奏者は必ず倍音練習するべきです。

実際の音で説明すると、低い度の音を出した時

C(基音)の上にオクターブ上のC、G、C、EGBbCDEF#~というようにほとんど聞こえない高い音がいっぱい積み重なっている。これらそれぞれの音を狙って出せるようになるのが倍音練習の基本。自分の喉の開きや舌の位置等を変えることで出せます。

そもそもトランペットなどの金管楽器は倍音を取り出すことによって音程を作る楽器ですが(そんなムズイ技術でドナ・リーとか吹けること自体驚愕です!)じつはサックスも同じ原理で音を出せるんです。下のBb~Eくらいのキイだけで12音出せるので、曲吹けます(難しすぎるけど)

ここからが自分の見解、学問的エビデンスは全くないので悪しからず!

Cの音を例にすると

C 第1倍音(基音、音程のもとになる音)

C 第2倍音(オクターブ上のド、音の生々しさを表す、ウェスのオクターブ奏法とジムホールの音色の差)

G 第3倍音(ドッシリ感、響きの重厚さ。完全五度の響きはピアノだとよくわかる)

C 第4倍音(2オクターブ上のド 第2に準じる)

E 第5倍音(これより初めて無色透明な響きから表情のある長3度という音程が出てくる。多分他人と合わせた時ハモるかどうかを決める音と思う ここが出せるとフラジオの世界が見えてきます)

G 第6倍音(第3に準じる )

Bb 第7倍音(ここから先は音色のニュアンスを決める音列が無限に続く…)

C 第8倍音(3オクターブ上のド 第2第4に準じる)

以上は整数次倍音と言って、基音の長さを1/2、1/3、1/4~にした奇麗な倍音のことです。非整数次倍音という割り切れない倍音(これが増えるとサブトーンのようなハスキーな感じが出てきたりする)もあるので、それらを組み合わせて音色を作ります。

基礎練習中の初心者は第4まで、音色の向上を目指す上級者は第7倍音くらいまで出せれば合格と思います。 

それぞれ狙って出せるようになれば、自分の理想とする音色をイメージして音出し。例えばブレッカーやミンツァーみたいな高音がギュッとしまった感じ、ゲッツのように開いた感じ、B・ウェブスターのサブトーンなど倍音構成を想像して自分の音を近づけていくわけですね。

あとチューナーで測ると正しいのになぜか人と合いにくい音の人がいますが(こっちがどう合わせても音の中心が逃げていく感じ)、結局倍音が整ってないからなのかな?

もちろん同時になる倍音をコントロールするなんてことは無理なのであくまでイメージ。まず狙って出せない倍音は使えるわけないので、使えるようにしておくのが大事なんじゃないかな。


自分の見解其の2(爆弾発言)

倍音の構成が音色を決めるということは、リードが振動する前に9割がた音色が決まるということ。何万もするマウスピースをしょっちゅう買い替えては「これ、音がいいっ!」ていう人自慢する人にに限ってもともとの音ができてないケースが多いと思う。まずは元音を極限まで磨いたうえでマウスピース選びましょう。例えれば壁の塗り替えをする前に白アリが食った柱を丈夫なのに変えたほうがいいと思う。

経験者が、初心者にするアドバイスとしてまず、中くらいの開きで硬すぎないリードを勧めるのは,素の元音わかりやすいようにということだと思うよ、デュコフみたいなのだと壁のペンキが厚すぎてわからないもの。

音楽は突き詰めていくと学問(理系の)に突入するけど実際音出すのは人間。技術的裏付けを身に着けたうえで最終的には”心”だと思う。自分が最近セッション嫌いなのは「間違えずにこのフレーズ吹けた,良かったー」みたいな演奏ばっかりだから。間違えてもこういう音でこういう気持ちを聴いてほしいみたいな演奏に当たるとやっぱり心に響きます。

ただ気持ちを伝えるにはある程度の技術が必要なのも明白な事実であるので、日々練習あるのみです!(しないけど)


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